ICT(情報通信技術)を活用し、時間や場所に捉われない柔軟な働き方としてテレワークが注目を集めています。
自宅で出来る仕事として、育児や介護などと仕事の両立のため、収入アップの副業として気になっている方も多いのではないでしょうか?
こちらの記事に書いているように、
テレワークには大きく分けて雇用型と自営型があります。
今回は個人の裁量で、総合的に仕事をすすめていく自営型テレワーク(在宅ワーク)について解説していきます。
Contents
※在宅ワークは家でできる仕事として家内労働(内職)と同じように使われることも多いですが、ここではスマホやパソコンを使ったテレワークとして扱います。
自営型テレワーク(在宅ワーク)のすすめ
会社や団体などに所属しない個人事業主のことで、類義語にフリーランスやノマド(Nomad)、SOHO(ソーホー)があります。
簡単に表分けするとこのような感じ
フリーランス | ノマド | SOHO | |
意味 | 自由業/自由職業 | 遊牧民/放浪者 | Small Office Home Office |
働く場所 | 自宅 カフェ コワーキングスペース 依頼主先 |
インターネット環境・電源に繋がる場所ならどこでも | 自宅 小規模オフィス |
就業形態 | 個人・法人 | 雇用・非雇用 | 個人・法人 |
フリーランス
フリーランスとは、企業と個人が直接契約を結ぶ「働き方」です。一般的に単発の案件ごとに契約を結び契約が完了するまでの間、自身が培ってきた知識やスキルを提供し報酬を得ます。
ちなみにフリーランスは英語でFreelance(Free=自由な、Lance=槍)。
語源は中世ヨーロッパまで遡り、
中世は王や貴族は主力となる騎士を中心とした封建軍の補強として、戦争の度に傭兵団(フリーカンパニー)と契約して戦争に臨んだ。この中には正式に叙勲されていない騎士(黒騎士)や傭兵団を離れ戦場に臨む兵士がいた。当時は槍騎兵 (lancer) が自分の従卒として歩兵や弓兵を連れている形態が多かったため、契約の際には槍の本数=1戦闘単位としてカウントされた。まだ敵勢力と契約を交わしていない (英: free) 戦闘単位 (英: lance) を指す言葉として「freelance」が用いられるようになった。
出典:Wikipedia「フリーランス」
フリーランスの中でも法人成りしていない個人を個人事業主と分類します。
IT系の業種以外にも、アナウンサーや大工、漁師などでも個人として仕事を受注している場合はフリーランスだと言えます。
ノマド(Nomad)
ノマド的な働き方をしている人をノマドワーカーと呼びます。
ノマド=遊牧民/放浪者という意味からも想像がつくように、ノマドワーカーとは会社のオフィスや自宅ではなく、カフェやコワーキングスペース、移動中など場所を問わず、モバイル機器を活用して仕事を行う人のことです。
ノマドとは、一定の場所に定住することなく場所を変えながら自由なスタイルで仕事をする「働き方」です。
既成の価値観に捉われず、自由さを求める働き方はバックパック一つで世界を放浪するバックパッカーと相性が良く一時期日本でももてはやされました。
ノマドは働き方であり、雇用されていてもいなくても自由な場所自由なスタイルでの働き方をしている人はノマドワーカーです。
近年ではテレワークやリモートワークの認知度もあがり、リモートワークと意味は統合されつつあります。
SOHO(ソーホー)
SOHOとはSmall Office / Home Office(スモールオフィス・ホームオフィス)の略で、ICT(情報通信技術)を活用し、小規模(10名以下)オフィスや自宅で、受託した業務を行う働き方、またはその仕事場や物件のことです。

パット見では意味が分かりづらいよね。
今後は自営型テレワークなどの言葉に置き換わっていくかも。
自営型テレワーク(在宅ワーク)にはどんな仕事があるの?
自営型テレワーク(在宅ワーク)にはどんな仕事があるのでしょうか?
パッと思いつくものから、そんなのもあるのか!と驚くようなもの、専門性を必要とするものから様々です。
IT関連
- Webサイト作成
- 情報検索、計算処理
- Webサイトの更新や運営
- ネットショップのシステム運営・管理
- システム設計・開発、プログラミング
- ソフトウェアのバグチェック
- オンライン上で行うPCインストラクター
- インターネット上でのオペレータ業務 など
事務関連
- 文書入力
- データ入力
- テープ起こし
- 取引文書作成
- 伝票整理
- 添削・採点 など
デザイン・映像関連
- メルマガ・広告メールの作成
- Webデザイン・グラフィック
- DTP(編集)
- 音楽制作・編集
- 映像制作・編集、フォトグラフィング
- アニメ制作、イラスト制作
- Webコンテンツ制作
- ライター など
専門サービス関連
- 設計・製図(CAD)
- 翻訳
- 調査・マーケティング
- コンサルティング など
この他にもYoutuber, Instagramer, TikToker、ネット販売の配送代行など今までの仕事の枠に捉われない仕事も増えてきています。
下のグラフは一部ではあるものの、実際に在宅ワーカーに発注されている仕事です。
在宅ワーカーに発注する可能性のある(発注している)仕事
どの仕事を選ぶかによって報酬単価や受注のし易さは変わってきます。

自分自身の経験やスキルと照らし合わせながら、どの内容の在宅ワークなら良い結果を出せそうかを考えよう。
また、簡単な内容は受注単価も低く作業時間も長くなりがち。専門性や実績、交渉次第で高単価の仕事ができるようになるため、方向性を決めることも大切です。
過去1年間における在宅ワークの仕事による平均的な月収(1ヶ月あたりの手取り)
どれがおすすめ?人気の在宅ワーク5選
一般的に人気の在宅ワークを5つ紹介します。
データ入力
企業や依頼主から受けたデータ(紙や、デジタルデータ、音声ファイルなど)をパソコン(エクセルなど)に入力する仕事で、テンキー配列がわかり、キーボードで文字を入力することができれば可能な在宅ワークです。
特別なスキルや経験が必要ない分、初心者にもはじめやすいのが特徴。
キーボードを見ずに打てるブラインドタッチや、正確な文字入力が得意で空き時間を有効活用したい方、パソコンでの長時間の単純作業を苦痛に感じない方に人気があります。
敷居が低い分、受注単価も控え目でに5-10文字で1円程度が一般的。
報酬を上げるためにはタイピングスピードと正確さが重要です。
ライティング(文章作成)
ライティングは、依頼主の求めるテーマに沿った文章を作成する在宅ワークです。求められる文字数は案件によって数百字程度のものから数万字と様々で、作文能力やテーマに関するリサーチ能力が求められます。
内容としては、企業のWebサイトに載せるコラムや体験談、ブログ記事など発注者の数だけテーマがあります。
誰もが書けるようなテーマでは600文字100円程度の報酬ですが、文章レベルの高さや実績、今までの依頼主からの評判などがついてくると単価の高い仕事を受注できるようになります。
また、専門的な知識やその分野に関する体験などを持っていれば、それを強みとして活かすことができ、依頼内容によっては継続的な仕事に繋がることもあります。
発送業務(代行業務)
インターネット通販やオークション、フリマサイトの普及により需要が高まっている仕事で、商品の検品・梱包・発送までを代行する在宅ワークです。
依頼主によっては、商品の撮影、Webサイトへのアップロードや紹介文の作成、カスタマーサポート業務など、求められる内容は多岐に渡ります。
ほつれ、キズ、欠損の確認などアイテムに応じた検品を行い、クッションの使用やラッピングなどアイテムに応じた梱包作業をし、配送業者へ引き渡す出荷作業までを行います。
迅速かつ丁寧な仕事が求めらるのと、マメな連絡が依頼主との信頼関係を築くのにかかせません。
保管スペースがない場合や、喫煙者やペットがいて匂いが移る可能性がある場合などは事前に確認をする必要があります。
フリマアプリなどの出品経験者には取り組みやすい在宅ワークで、一度依頼主からの信頼を得ることができれば、長期の仕事に繋がりやすいのが特徴です。
Webサイト制作

企業やお店のホームページを制作する仕事で、HTML・CSS・JavaScript、PHPなどのWebサイト作成のためのプログラミング言語やWebデザインのためのイラストレーターなどを使う在宅ワークです。
1案件あたり10~20万円程度の比較的高収入が期待できるため、本業として行いたい方、デザインやモノづくりに興味がある方に人気の仕事です。
デザイン、プログラミング、ライティングと総合的なスキルが求められ、依頼主のニーズを汲み取ることが重要です。
※近年ではWordpressなどのCMS(コンテンツマネジメントシステム)を使いプログラミングができなくてもWebサイト制作が可能であり、Webサイト制作の敷居は低くなっています。
ホームページ制作後の運営・管理まで請け負うことで安定した収入につながります。
プログラミング
今まで紹介してきた中で最も報酬の単価が高いのがこのプログラミングです。スマホのiOSやAndroidのアプリ開発、データ解析、PHP・Phythonなどを使うWeb開発、JavaやC言語を使うシステム開発など案件の内容は様々で、業界経験者やスキル持ちの人に人気の在宅ワークです。
仕事を受注するには、ビジネスマッチングサイトやクラウドソーシングサービスの活用、元職場の知り合いや、取引先からの紹介が一般的です。
技術と実績が積み重なっていくことで、仕事を受注しやすくなり安定して高収入を得ることができるようになります。
自営型テレワーク(在宅ワーク)の流れ
様々な在宅ワークを紹介してきましたが、始める前に今一度自分自身を振り返ってみる必要があります。
- なぜ、在宅ワークをしたいのか
- 在宅ワークでいくらぐらいの収入を得たいのか
- 1日に働ける時間はどのくらいなのか
- 何ができるのか(スキル)
- 何をやってきたのか(実績)
- 今までの仕事で好き、向いている、周囲から評価されたことは何か
- 今までの仕事で嫌い、向いていない、頑張っても結果がでなかったことは何か など
仕事を探し、受注するうえで「依頼者の要望と自分自身が提供できるものがマッチしているのか」「その仕事は自分が求めるライフスタイルに合っているのか」など、自分自身で判断決断していくことになるからです。
自己分析をし自分の目指す方向が決まったら、在宅ワークを始める準備が完了です。
在宅ワークのながれは大きく3つ。仕事を探す、契約、納品・売上回収です。
在宅ワークを探す
仕事は与えられるものではなく自分自身で探さなければなりません。取り掛かりやすい仕事の探し方には主に3つ
求人媒体から情報を得る
インターネットの求人情報、新聞・チラシの求人広告などで仕事を探す方法です。多くの求人情報を見つけることができるものの、中にはうたい文句と実態が違う場合や、最初に教材費用を請求されるなどの悪徳業者も含まれています。良さそうな案件にむやみに飛びつくのではなく、どういった会社が出している求人なのか、体験者の声があるかどうかなど慎重な行動が良い案件を受注するためのカギです。
クラウドソーシングを利用する
クラウドソーシングとは、Webサイト上で発注者と在宅ワーカーをマッチングさせる仕組みのことで年々普及率が高まっています。
様々なタイプの仕事が、様々なスキルを持った不特定多数の在宅ワーカーに向けて掲載されています。在宅ワーカーも不特定多数の発注者に向けて自身のスキルや経験をアピールできるなど双方向的なサービスです。
サイト上で利用者同士の評価を確認できる仕組みがあったりと初めての方でも安心して取引ができるようなところが多く、業界大手のランサーズやクラウドワークスが有名です。
イベントやセミナーへ参加する
スキルアップを目的とした実践的なセミナーや異業種交流会、企業担当者とのマッチングイベントなどに参加し、人脈を広げ仕事を探す方法です。
対面でのコミュニケーションスキルや自己アピールが必要なものの、実際に会って話すことができるので雰囲気や相性の確認しやすいのが特徴。
ただ、参加の前にどのような団体が主催しているのか、どのような人たちが集まるのかはよく調べる必要があります。
政府や自治体も、在宅ワーカー向けのセミナーを開催しています。
厚生労働省「在宅就業者総合支援事業」HOME WORKERS WEB
契約する(受注する)
仕事を見つけることができた後も気が抜けません。
内容によっては後々のトラブルの元になりかねないため、契約の際は厚生労働省が出している在宅ワークの適正な実施のためのガイドラインに沿って契約書の内容を確認するようにしましょう。
報酬や納期、前受け金、支払期日その他の条件など発注業者とお互いに確認納得できたあとに契約を交わします。
不満に思う点や納得できない点はなあなあで済ませてはいけません。報酬の相場や自身のスキルや経験、案件の難易度など調べておくことも大事です。
納品と売上金の回収
成果物が完成したあとは納品です。
納品が完了し発注者が納得したら代金の請求を行います。
契約がしっかりしていてお互いにしっかり内容を守れていればここでトラブルになることはないでしょう。売上金の回収が済んではじめてその仕事が完了したことになります。
初めての在宅ワークは勝手がわからずどうすすめていいか悩むところです。
報酬の大小に関わらず自分の責任で仕事を請け負うということは経営者になるということ。闇雲にスタートをきるのではなく、しっかりと事前準備をすることで余計なトラブルを回避し、着実に稼ぐ力を身につけていきましょう!
個人事業主としてやっていくことに不安がある方は、一度経営について勉強してみるといいかもしれません。
わたしの尊敬する経営者が起業について分かりやすい動画を公開しています。下記の画像をクリックして視聴してみてくださいね。
語源を知るとなんだかかっこいいね!
日本では「フリー=無料」と勘違いしている人も多いけど、Freeとは「自由な/縛られていない/解放されている」という意味なんだ。